3人のお子さんのママであり、ファイナンシャルプランナーとして活躍中の畠中雅子先生。
この連載では、先生がご自身の育児やさまざまな家族の相談を振り返りながら、ここだから言える、リアルなお金と子育てのアドバイスを伝授します。
赤ちゃんが生まれ、いままで以上にお金がかかるわ…と不安な方へ。お金のヒントを、そして子育ての楽しさを、たっぷりとお届けします!
今回で50回目の更新になります。そして、今回が最後の更新です。今までお読みくださったみなさま、ありがとうございました。最終回は、私自身の子育て経験をふまえて、お金の話をまとめたいと思います。
わが家の子どもたちは、長女が27歳、長男が大学4年生、次男が大学1年生になりました。ワンオペ育児でしたので、子どもが小さいうちは、「なんで、3人も生んじゃったんだろう」と、後悔することもしばしば。若いころから、子どもが苦手だったこともあり(わが家は主人のほうが子ども好き。そのわりに不在がちで、ワンオペに…〔泣〕)、育児を放棄したいと考えたことは、数え切れませんでした(子どもたちよ、ゴメン)。
そんな母親ですから、人さまにほめられるような育児ではなかったと思いますが、子どもを持ったことで、学んだことは本当に多いと感じています。また子どもが複数いると、個性の違う子どもを育てることになりますから、似たような場面でも子どもごとに違う対応策を考えなければならず、親側の人間力を試される機会も多かったように思います。
体力面でのキツさが求められた子育ての時期は終わり、今は私立大学に通う息子が2人いるという、金銭面でのキツさを感じる時代になっています。とはいえ、学費については、学資保険にたくさん加入していたおかげで、おつりがくるくらい(?)準備できています。学資保険をメインに教育資金の準備をしたことについては、仕事仲間から「別の手段のほうがいいのでは?」という意見をもらう機会も多々ありましたが、自分に向いた方法を選択してよかったと感じています。
制度の面で子育てを振り返ると、わが家の子どもたちが小さかったころには想像もつかなかったほど、「子育て支援」は充実してきていると思います。出産しても、数万円程度の自己負担分を支払えばすむ時代になっていますし、妊婦健診費の多くも助成金でまかなえますよね。ちなみに長女のときは、出産育児一時金が13万2000円しかもらえませんでしたし、妊婦健診費の助成は、3人とも前期、後期の1回ずつの合計2回のみ。児童手当の制度も、長女が生まれた年に第1子からもらえるように改正されたばかりで、今より支給金額も少なかったことを記憶しています。
待機児童の件も問題視されていますが、わが家では3人とも待機児童でした。2人目は2年間も待機状態だったものの、そのことを訴える先(SNSなど)はありませんでした。私自身が自営業ということで、保育園待機の「点数」(優先順位度)は、私が雇っているアルバイトの人よりも低いという、わけのわからない目にもあいました。
ところで、今は情報があふれている時代です。スマホを使えば、お金の情報やアドバイスを手に入れるのは簡単です。そんな時代に子育てをしていると、ほかの家庭の暮らしぶりが気になる機会も多いと思いますが、「わが家の収入に見合った無理のない暮らしは、どうすればできるのか」、あるいは「自分の個性に合った教育資金の準備は、どのような方法なのか」など、自分の収入や個性に合った方法を探すことが重要だと思います。
たとえば、前述のわが家の学資保険についても、他人の意見を参考に学資金の契約を減らしていたら後悔していたと思います。情報過多の時代にはさまざまな意見が飛び交いますが、どの意見もあなたにとっての『大正解』とはいえないはずです。氾濫する情報のなかから、おトクそうな情報に飛びつくのではなく、「自分にとって後悔が少ない方法」を探してみてはいかがでしょうか。おトク情報に飛びつかず、「時間が経っても、有効な方法なのか」という視点で考える習慣が身につけば、結果的に情報に振り回されにくくなります。情報に振り回されなくなると、他人の家庭もそれほど気にならなくなるはずです。
子育ては悩むことも多いと思いますが、いつかは終わります。それまで、ぜひ、楽しんで育児をしてくださいね。