はじめに
HELLO!
1980年に2人の娘(3歳と1歳)と一緒にアメリカから日本にやって来た青い目のテリーです!
子育て、食べ物、洋服、生活、季節、習慣、文化・・・日本とアメリカでは違うことばかり!
だけど、いろいろな日本とアメリカの違いのおかげで、とっても面白くて楽しい子育てができました!
外国人のママが少なかった当時の“青い目の子育て奮闘記”をどうぞお楽しみください!
プロフィール
Teri Suzanne テリー・スザーン
元「こどもの城」国際交流部長。作家。切り紙のイラストレーター。声優。日本や韓国、香港、アメリカでの講演や、NHKの番組、青山円形劇場への出演などもこなす。子どものためのバイリンガル教育教材コンサルタントとして『えほんや』『エーゴ旅行社』(iTunesアプリ)の英訳と声優を担当。
ドキドキDAY!!!
2月は甘い恋の月です!お母さん、お父さん、お兄さん、お姉さん、赤ちゃん、おばあちゃん、おじいさん、先生たち、みなさんへ、愛をこめて心をこめて、
ハッピーバレンタインデー! HAPPY VALENTINE’S DAY TO YOU !!!
大人にとっても子どもにとっても動物にとっても、「愛」は心温まるすてきなことです。胸がドキドキしたり、安心したり、幸せな気持ちになったり、ニコニコしたり…。 雨が降っていても、空がくもっていても、愛があれば、心の中はサンシャインですね! ご主人、奥さん、家族、子ども、親戚、友達など、あなたにもきっと、好きな人、愛している方がたくさんいるのではないでしょうか?
本来、バレンタインデーは一年に一日の特別な、自分の気持ちを伝える日です。もちろん、毎日大切な人を大事にするべきですが、バレンタインデーは楽 しくその愛を表現できる日なんですね。しかし私は日本での生活で、違うバレンタインデーと出合いました。私と娘たち、また娘たちの幼稚園の友達や先生た ち、私の勤務した幼稚園の生徒たちにも、大きな違いを感じました。
アメリカと日本でのバレンタインデーの一番大きな違いは、「考え方」と「やり方」でした。まず、その素晴らしく楽しいバレンタインデーを二つの日(2月14日と3月14日)にわけたのです。2月14日のバレンタインデーは、女性だけが男性にチョコレートなどをあげる日で、チョコレートを渡す相手は勤務先の同僚や部下や、だんなさま、恋人だけ。男性によっては、自分の母だけに花かチョコレートをあげることもありました。
そして、3月14日はWHITE DAYという、お返しをする日でした。あらまあ! 2月14日にチョコレートをもらった男性たちは、やる気があれば、チョコレートをくれた女性に義理を返すのです。 義理の愛? お返しが義務? 本当にビックリしました!
アメリカでの習慣なら、バレンタインデーには子どもたちが楽しく、親、兄弟、親戚、保育園や学校の友達のみなさん、先生たち、みんながお互いにカードやキャンディ、チョコレートを渡し合う、ワクワクするような愛のセレブレーションの日でした。私はまだ小さかった娘たちに、愛に義務があるというような教育をしたことがなく、私自身、考えたこともありませんでした。
アメリカだったら、友達が好きだから、バレンタインデーに素直な気持ちで、友情としての愛をお祝いします。小さいときにはかわいいミニカードをスー パーで買って、子どもが一枚一枚に自分の名前か簡単なマークを書きます。本人ができない場合は、お母さんがクラスの子どもの名前をそのカードのミニ封筒に 書きます。考えてみると、小さいころからこのような活動をすることは大事だと思います。クラスにいる友達の名前を書くことによってアルファベットを覚えま すし、自分の名前を書く練習にもなります。お返しを期待するようなこともありませんから、表現も、思いやり深い優しいものになるでしょう。自分から友達に メッセージを書くことも勉強になります。このようなバレンタインデーは義理のないお祝いの日。よい習慣ではないでしょうか。
日本での初めてのバレンタインの日。私と娘たちは、ドキドキしながら幼稚園に子どもたちのためのカードと先生たちへのチョコレートを持っていきまし た。「なぜそんなことをするの?」とみなさんにとてもびっくりされましたが、私たちもとても驚きました。私たちにとっては自然な、あたりまえのやり方だっ たからです。何人かの小さな男の子や女の子たちに “バレンタインは男の子のためだけだよ!”と言われ、娘たちはドキッとしました。
娘たちが家に帰ってから、習慣の違いを分かりやすく、私の考えや気持ちを込めて素直に話しました。アメリカや他の国にはWHITE DAYがないし、義理チョコもない。日本のやり方はきっと、商業的な目的が大きいのだと思いますが、大切なのは義理チョコの意味です。本来、みんなのため のバレンタインデーであり、自分がカードを作ったり、何かを誰かに買ってあげることは、その特別な日のために自分がやりたいこと。相手からお返しをもらい たいからやるのではなく、自分がやりたいから心を込めるんですね。それが一番大切なことだと思います。
かくして、バレンタインの日は娘たちにとってなぞなぞの日となりました。「なぜほかの友達のパパは、ママにじゃなくて、おばあちゃんだけにバレンタインの花をあげるの?「なぜ両方にあげないの?」「なぜバレンタインデー(ホワイトデー)にママじゃなくて、会社の女性たちにチョコレートをあげるの? ママが大事じゃないの?」「なぜ友達は親戚にカードなどを贈らないの?」
2つの国で育った子どもは、とても質問が多いんです(笑)。何でも6つの目で見ているからでしょうか?(「6つ」というのは、日本、アメリカ、そし て自分自身の視点)娘たちは小さいときには、アメリカと日本にいるおじいちゃん、おばあちゃんたち、親戚や友達、保育園、幼稚園、学校の友達や先生たちに カードやチョコレートなどを贈ったり、もらったりしていました。子どもが小さいときにアメリカから届いたバレンタインカードも、まだいくつか残っていま す。
国際結婚の場合にはとくに、育ってきた環境や習慣によって、お祝いの日の楽しみ方や考え方など、いろいろな違いがあります。両方の習慣を知って、自分たちの家族にとって一番よいお祝いのしかたを決めるといいなと思います。
バレンタインデーは本当に、ドキドキ楽しい日! 親子でお互いにカードを贈りあったり、おいしいお菓子をいっしょに作ったりして、家族で楽しんでくださいね。お弁当やお食事のごはんの上に、焼きのりやハムなどをはさみで切ったI ♥ U (I LOVE YOUの意味) などの文字をのせても楽しいですよ♪ 今はいろいろ、便利な形で切り抜けるパンチが売っていますが、私はいつも、はさみで切っていろいろな形を作っていました!
小さいお子さんは、毎日見たり聞いたりしていることに、強い影響を受けています。とくにテレビのコマーシャルのようなものは、目や耳に簡単に入って しまいます。親は、子どもの周りにあるものをできるだけよく見るべきだと思います。自分の子どもが他の子どもを素直な気持ちで尊敬し、大事にするために、 「義理の愛」をすすめているものが子どもに伝わっていいのかどうか、よく考えてくださいね。
ドキドキ ニコニコなバレンタインデーでありますように!!