3人のお子さんのママであり、ファイナンシャルプランナーとして活躍中の畠中雅子先生。
この連載では、先生がご自身の育児やさまざまな家族の相談を振り返りながら、ここだから言える、リアルなお金と子育てのアドバイスを伝授します。
赤ちゃんが生まれ、いままで以上にお金がかかるわ…と不安な方へ。お金のヒントを、そして子育ての楽しさを、たっぷりとお届けします!
保育園に入園させるための、いわゆる“保活”。最近は、熾烈を極めていると聞いています。ですが、この保活。ウチの子どもたちの時代も決して楽だったわけではありません。中でも、私には忘れられない、ヒヤヒヤものの思い出があります。
我が家は主人が会社員、私はフリーランスという働き方です。そして、公立の保育園入園に際しては、3人とも「待機児童」となりました。忘れられないのは、2人目の保活。長男の待機期間中のことです。
その頃の私は、2人のママ友にアルバイトをお願いしていました。そのママ友の就業証明書には、私が“雇い主”として署名したのですが、その就業証明書のサインによって意外なことが起こりました。
今も同じシステムなのかはわかりませんが、我が家が待機していた頃は、その人の働き方などによって、最高点を10点とする持ち点方式になっていました。 ただし、シングルマザーの方は「10点+(プラス)」という形で、最高点よりも高い点数を持っていたと記憶しています。10点+の人は、10点の人より入 園が優先されるわけです。
私のようなフリーランサー(=自営業)は、持ち点が最高で9点。私が就業証明を出したアルバイトの2人は、週に2~3回くらいの働き方でも外勤扱いになって10点でした。
この辺りで、仕事を頼んでいる人(=私)よりも、頼まれている人(=アルバイト)の持ち点が高いシステムに疑問を感じていましたが、私が就業証明書にサインした結果、私の持ち点はなんと「7点!」に下げられてしまったのです。
「なぜ、アルバイトの就業証明書にサインをしたら、私の点数が7点に下がるんですか!?」と、区役所に聞きに行きました。すると、答えは次のようなものでした。
自営業は、夫がするものである。自営業者の妻は内助の功を発揮して、夫の仕事を支えるのが役目である。その役目をフォローするアルバイトの人が入れば、妻の仕事は楽になるわけだから、妻の点数を下げるのは適切である―これが、役所側の説明でした。
つまり、もともと9点だった私の持ち点を、「自営業の妻」として8点に下げ、さらにアルバイトの存在により、7点に下げたらしいのです。当然のことながら、抗議しました。
「それって、おかしくないですか!?だって、主人は会社員で、私の仕事とまったく関係ありませんし、私は自分の子どもが今度の春も保育園に入れなければ、 アルバイトを2人雇えなくなるかもしれません。アルバイトの人は毎日働いているわけではないのに、10点がもらえて、毎日、深夜までフルに働いている私が 7点なのは、納得できません」と、窓口で訴えたのです。
すると、担当者から、意外な言葉が・・・。
「たしかに実態に合っていませんね。だけど、制度としては、7点で見るしかないんです。ただ、働き方をうかがっていますと、外勤と同じ点数にするのが妥当 だと思われますので、外勤扱いで10点に修正します」。おおおー!!ラッキー!!窓口の担当者の方が、杓子定規な対応でなくて本当に良かったと胸をなでお ろしました。
そのおかげで、無事に次の春入園が実現しましたが、「抗議しに行かなかったらどうなっていたんだろう?」と、今でもヒヤヒヤものの思い出ですね。
次回更新は6月13日の予定です。