2017年4月2日以降の契約から、貯蓄性がある保険の保険料が値上がりしました。残念ながら、そのなかには学資保険も含まれています。ニュースでもかなり取り上げられましたから、「学資保険には入らなくてもいいのでは?」と思った方がいるかもしれません。ですが、大学時代に奨学金を借りずに学費をまかなうためには、学資保険に加入したほうが良いと思います。ただしこれから加入する方は、払い方に気を付ける必要があると考えています。

保険料はできるだけ「短期払い」を利用する

学資保険は「月払いで、学資金の受け取りがスタートするまで保険料を支払う」のを基本に加入プランを考えるのが一般的ですが、4月からの保険料の値上がりに対抗するために、短期払いや年払いなどの支払い方をおすすめしています。短期払いは、10年から12年などの短い期間で保険料を払い終える方法で、年払いは1年分の保険料をまとめて支払う方法です。いずれも月払いで支払うより、トータルの保険料を節約できます。

たとえば、18歳から学資金の受け取りがスタートする学資保険の保険料を、10年で支払い終える方法があります。18年間で支払う保険料を、10年間で支払ってしまうわけですから、ひと月の負担額は多くなります。一例として、ある会社の学資保険で保険料負担の差を比較してみますと、0歳から10歳までの支払いで終えるプランは、保険料がひと月1万4368円になります。これに対して18歳までの支払いなら8392円ですみます。どちらも同じ200万円の学資金を受け取るプランです。

保険料負担だけを見ると、ひと月8392円で済む後者を選びたくなる方がいるはずですが、頑張ってひと月1万4368円を支払うと、払った保険料より27万5840円も多い学資金が受け取れます。18歳まで支払う場合は、増える金額が18万7328円。10歳で払い終えると、8万8512円も保険料を節約できるのです。

「単独で加入できるか」を確認するのも重要なポイント

10歳ごろというのは、お子さんが塾に通い始める時期にあたります。10歳で保険料支払いが終われば、それまで支払っていた保険料は塾代にあてられます。ライフプラン的に考えても、短期払いはおすすめできる支払い方法だと思います。

短期払いが難しい場合は、ボーナスから取りおくか、月々の家計のなかから積み立てをしたうえで、年払いでの支払いを利用しましょう。短期払いよりは支払い総額が多くなりますが、月払いよりは有利だからです。

最後に注意点をひとつご紹介します。学資保険というのは、保険会社にとって“もうからない保険”にあたります。低金利のせいで利益を出すのは難しいのに、貯蓄性を提供しなければならないからです。そのため「学資保険だけに加入したい」と思ってライフプランナーや営業職員(セールスレディ)に相談しても、「いっしょに親の保険の見直しをしましょう」とすすめられるケースがあります。保険会社が販売したいと思う「親の保険とセットでの加入」ですすめられるケースが少なくないのです。

そこで学資保険に入ろうと思う場合は、「単独で加入できますか」と確認することも大切。もし単独で加入するのが難しそうなら、親の保険としても加入したい保険会社の学資保険を選ぶのが良いと思います。

ちなみに、単独で入りやすいという意味で個人的におすすめできるのは、JA共済のこども共済「学資応援隊」。親の保険(共済)加入をすすめられずに、こども共済だけでも加入できますよ。