3人のお子さんのママであり、ファイナンシャルプランナーとして活躍中の畠中雅子先生。
この連載では、先生がご自身の育児やさまざまな家族の相談を振り返りながら、ここだから言える、リアルなお金と子育てのアドバイスを伝授します。
赤ちゃんが生まれ、いままで以上にお金がかかるわ…と不安な方へ。お金のヒントを、そして子育ての楽しさを、たっぷりとお届けします!
今回は、「子育て中の意外な出費」を取り上げたいと思います。
「子育てにかかるお金=教育費」と考えがちですが、実は子育てには、意外な出費もあります。皆さんにとっては、かなり先の話になってしまいますが、たとえばわが家の場合、『長女の運転免許の取得費用』は、かなり想定外の出費でした。
「えっ?運転免許って、どうしても必要なの?」とか、「ウチは女の子だから、免許なんていらないわ」などと思う方がいるかもしれません。ですが現在では、 就活のエントリーシートを書く際、免許を持っていないのは不利だと言われて(思われて?)います。そのため大学生の多くが、就活前に免許を取得する現実が あるのです。20代の若いママなら、ご自分が経験されているかもしれませんね。
長女(現在は社会人)が大学2年から3年生にかけての春休みに運転免許を取りに行きました。もともと車にはまったくと言っていいほど興味がなく、運転が大 好きな私に向かって、「車の運転なんて、私は絶対にしないから!」と言い放っていましたが、就活に向けて、友人たちが次々に免許を取るのを見て、本人も慌 てはじめました。
結果として、「短期間で確実に取れる」といううたい文句に惹かれて、合宿免許に参加することになりました。ちなみに、長女の免許取得費用は25万円くらい だったように記憶しています。安い時期(or安い教習所)なら20万円を切るところもあるようですが、春休みや夏休みのように、大学生が大挙して押し寄せ る時期は30万円くらいの覚悟が必要なよう。長女はそれまで免許はいらないと言っていた手前、親に免許代を払わせるのが悪いと思ったのか、費用の安いとこ ろを自分なりに調べて決めたようです。
そういえば、長女が免許を取得するときに気づいたのですが、25歳以下とか30歳以下などの若い人の場合、延長料金や追加料金がかからない仕組みになっているところが多いようです。通学形式で免許を取った私にとっては、「へえ~」という感じでした。
長女の場合、最短で取れる日数まではホテルに滞在するプランを選択。ホテルは狭いながらも快適だったようですが、残念ながら(当然ながら?)最短では取得 できなかったので、その後は合宿所に移動。いきなり住まいのランクが落ちたと嘆きつつ、何とか免許を取得して戻ってきました。
そのほか、お子さんが女の子の場合に覚悟しておきたいのは、成人式の費用。着物や小物などのレンタル費用、着付け代、メイク代、写真撮影代などで、 10~20万円くらいはかかります。写真撮影については、○ポーズまで○万円など、あるいはセット料金で○万円などとなっているのが一般的ですが、実際に はかなりの枚数を撮るので、当初の予定よりも写真代がかさむケースが多いのではないかと思います。それぞれのご実家にも、写真を渡すケースが多いはずなの で、ご実家分の焼き増し代も見込んで予算立てする必要があります。
親心として、「スーツで成人式に参加して欲しいなあ」と思っても、久しぶりに友達と逢う大切な機会なので、結果的に着物のレンタルをするご家庭が多いと思います。
今回ご紹介した運転免許取得費用などは、かなり先の支出といえますが、100万円を超える目標額を決めて貯めていく教育資金と異なり、へそくりで対応する ことも可能な費用だと思います。お子さんが小さいとき、つまり貯蓄がしやすいときに、コツコツとへそくりをしておくと、数十万円単位のお金が十分に貯まる はず。500円玉貯金や釣り銭貯金、買ったつもり貯金など、貯蓄方法はさまざまですが、遠い先に必要なお金だからこそ、今のうちから小さなお金を、コツコ ツと貯め始めてはいかがでしょうか。
次回更新は5月9日の予定です。