3人のお子さんのママであり、ファイナンシャルプランナーとして活躍中の畠中雅子先生。
この連載では、先生がご自身の育児やさまざまな家族の相談を振り返りながら、ここだから言える、リアルなお金と子育てのアドバイスを伝授します。
赤ちゃんが生まれ、いままで以上にお金がかかるわ…と不安な方へ。お金のヒントを、そして子育ての楽しさを、たっぷりとお届けします!
わが家には、高校3年生と中学3年生の息子がいます。そうです。我が家は来春、「ダブル受験」を迎えるのです。お子さんの年齢が3歳差のご家庭では、このような「ダブル受験」を覚悟しなければなりません。ダブル受験という言葉を聞くと、「3歳差は大変そうだなあ」と思われる方も多いでしょう。
生活設計のご相談でも、「受験が重なるから、3歳違いは避けたい」と言われる機会は少なくありません。でも、個人的な感想としては、「ダブル受験は悪くない」と思っています。
同時期に入学金がかかりますが、入学時のお金は学資保険で準備できているので、とりあえず大丈夫。それに息子たちは同じ部屋を使っているため、どちらかだけが受験生の場合、もうひとりがダラダラとテレビを見ていたり、友だちを呼んで騒いでいたら、イライラしますよね(イライラするほど、どちらも勉強しないんですけどね)。
それから、ダブル受験は言い換えると、「受験が一気に終わる」ともいえます。3歳違いを避けて、2歳差や4歳差にすると、2年間連続で受験をしなければなりませんし、年齢差を空けると、その分だけ子育てが終わる時期は後ろにずれます。生活設計の面からいうと、これはリスクです。
我が家は長女(第1子)と長男(第2子)が6歳差であり、長女と次男(第3子)は9歳差。長女は20代後半に生みましたが、3人目の次男を生んだときはすでに30代後半になっていました。ちなみに次男が生まれたとき、主人は38歳でした。
主人の会社では、誕生月に定年退職を迎えます。主人の誕生月は6月で、計算してみると退職時にはまだ、次男は大学4年生の予定(浪人しなければ、の話ですが)。もし我が家が3歳違いで3人の子どもを生んでいたら、次男が大学を卒業した後、2年くらいの時間をおいて、主人は定年退職を迎えられました。老後資金準備は今よりずっと楽なはず。つくづく、長女と長男の年齢差を空けたことが悔やまれます。
我が家の経験を踏まえて、これから弟や妹が欲しいと思っていらっしゃる方に先輩ママとして伝えたいのは、「兄弟姉妹の年齢は少ないほど、老後資金準備が楽になる」ということ。
兄弟姉妹の年齢差が少なければ、保育料だって、割引を受けられる期間が長くなります。3人同時在園すれば、3人目の保育料はタダ。自治体によっては、同時在園でなくても、3人目であればタダというところもあります。
児童手当についても、高校を卒業した時点で、子どもの人数としてはカウントできなくなります。我が家の場合は長女と次男は9歳も離れていましたので、3人目がいても、次男が3人目とカウントされた時期は短かったです。
赤ちゃんを育てていると、少し楽になってから2人目を持ちたいと考える方も少なくありませんが、兄弟姉妹の年齢差が少ないと、お稽古事や塾なども同じところに通わせやすいですし、一緒に留守番もさせやすくなります。2人目になかなか踏み切れない方は、生活設計の面にも目を向けて考えてみてはいかがでしょうか。