今年1月末、日銀によるマイナス金利導入が発表されてから、定期預金や住宅ローンの金利が引き下げられるなど、金融ニュースは花盛り。「私達の生活って、どうなっちゃうの?」と不安を感じる方もいるでしょう。とはいえ、先月の電力自由化のテーマでもお話しした通り、大きなニュースになったりして、周りが騒いでいるときは、慌てて動かないのが原則。冷静な判断ができない状態で動いてしまうと、後悔する結果になりやすいからです。

学資保険の予定利率の行方に注目

そのようななかではありますが、気にかけて欲しいことが二つあります。一つ目は、学資保険の予定利率が引き下げられるかもしれないこと。予定利率とは、私たちが支払う保険料のうち、事業費などを引いた残りを運用に回すときの利率で、学資保険のように貯蓄性の高い保険は、予定利率引き下げ=保険料の値上げにつながるからです。

学資保険の予定利率は「長期の固定金利」ですから、支払保険料の総額が数万円単位で増える可能性があります。原稿を書いている時点(2016年3月上旬)では、まだどこの会社が予定利率を上げるのかはわかりませんが、加入しようと思いつつも、まだ契約を結んでいない方は、気になっている会社のコールセンターなどで、引き下げの予定があるかどうか、質問してみるといいですね。引き下げが決まっていたら、引き下げ前に契約できるかも確認してみてください。

住宅ローンを「固定金利」で借りる場合も注目

ふたつめは、住宅ローン。住宅ローンを新規で申し込んで、あるいは借り入れをしたり、借り換えで「固定金利のローン」を利用しようと考えている場合です。変動金利の利用を検討している場合は、半年ごとに金利は変動しますので、短期的な金利の引き下げに一喜一憂する必要はありません。

固定金利で住宅ローンを借りる場合、多くのご家庭で「フラット35」を利用すると思います。「フラット35」は、最長35年までの金利が固定される住宅ローンで、実は今月、史上最低金利を更新しました。「フラット35」の2016年3月の金利は、返済期間21年以上のタイプで1.25%、返済期間20年以下のタイプは1.02%なっています。この金利は、頭金を1割以上準備した場合の各金融機関の最低金利です。ちなみに、最低金利で借りられる金融機関はたくさんあります。

さらに取得する住宅が耐震性能や省エネ住宅の高い住宅で、「フラット35S」の優遇条件を満たせば、借り入れの当初5年間、あるいは10年間、金利が0.3%引き下げられます。固定金利でありながら、当初10年間、あるいは5年間は1%以下(21年以上0.95%、20年以下0.72%)の金利で借り入れができてしまいます。

新規で借り入れる場合も、現在の「フラット35」はかなり有利な金利水準ですが、おすすめなのは「フラット35」の返済期間20年以下への借り換え。借り換えをする場合、固定金利から変動金利へ借り換える人が多いですが、その方法は将来の金利上昇のリスクを抱えることに。一方、「フラット35」の返済期間20年以下に借り換えれば、変動金利並みの低い金利なのに、将来の金利上昇のリスクもありません。返済期間が20年までの借り換えができそうなご家庭では、ぜひ検討してみてほしいと思います。

※2016年3月時点の情報に基づいています。

次回更新は4月8日の予定です。