3人のお子さんのママであり、ファイナンシャルプランナーとして活躍中の畠中雅子先生。
この連載では、先生がご自身の育児やさまざまな家族の相談を振り返りながら、ここだから言える、リアルなお金と子育てのアドバイスを伝授します。
赤ちゃんが生まれ、いままで以上にお金がかかるわ…と不安な方へ。お金のヒントを、そして子育ての楽しさを、たっぷりとお届けします!
新年度が始まりましたね。赤ちゃんを育てているご家庭では、乳幼児の医療費助成をはじめ、自治体の制度を活用される機会が多いことと思います。
乳幼児の医療費助成制度は、病気にかかりやすい赤ちゃんに対して、自治体が医療費の一部(健康保険の対象となる医療費は全部のところも多い)を助成してくれる制度。導入され始めたのは1970年代のようですが、1990年頃から徐々に対象年齢が広がるなど、制度が拡充されてきました。
ちなみに、ここでは「乳幼児の医療費助成」と書きましたが、子どもの年齢が上がると制度名は「子どもの医療費助成制度」に変わります。いつまでも乳幼児では、おかしいですものね。
数年前までは、助成の対象年齢を3~4歳としていた自治体もありましたが、2016年4月現在では、すべての自治体で就学前(小学校入学)までの子どもを医療費助成の対象にしています。なお、東京23区では、助成の対象年齢が中学3年生までになっています。
さらに東京都千代田区のように、「高校生等医療費助成制度」を導入して、高校生になってからも入院、通院とも助成対象にする自治体も出てきています。助成の対象年齢の引き上げは全国的に広がっていて、近い将来、ほとんどの自治体で中学3年生までが対象になるのでは、と個人的には考えています。
そんな制度の切り替わりは、4月1日におこなわれることが多くなっています。例えば、昨年度(2016年3月)までは小学校3年生までを助成の対象にしていた自治体が、今春からは対象年齢を小学校6年生にまでに引き上げるといった改正です。まれに10月に改正することもありますが、新制度のスタートは4月1日からになるのが一般的です。お住まいの地域において、助成の対象年齢が中学3年生までになっていなければ、対象年齢が引き上げられていないか、4月の切り替え時期に確認をしましょう。
そのほか、予防接種の助成回数や助成額の変更なども、4月におこなわれるのが一般的。妊婦検診の助成回数も、現在ではすべての自治体で14回以上になっており、なかには助成回数を無制限にする自治体も出てきています。妊娠期間中に4月を迎えて、助成回数が増える可能性もありますので、新しい年度の制度をチェックするのをお忘れなく。
そして4月は、入園、入学などで家計収支が変わりやすい時期とも言えます。普段、家計簿をつけていないご家庭でも、4月だけは家計の支出状況を把握したいもの。特にお子さんが幼稚園に通い始めると、幼稚園代や習い事代の支出で、貯蓄に回せる割合がガクンと減ってしまうご家庭も多くなります。3月までと比べて、4月の貯蓄額が減っていないか、こちらも確認してみてください。
さまざまな面で4月は変化の時期。毎年この時期には、自治体の制度改正に目を光らせる習慣をつけることをお薦めします。
※2016年4月時点の情報に基づいています。
次回更新は5月13日の予定です。