3人のお子さんのママであり、ファイナンシャルプランナーとして活躍中の畠中雅子先生。
この連載では、先生がご自身の育児やさまざまな家族の相談を振り返りながら、ここだから言える、リアルなお金と子育てのアドバイスを伝授します。
赤ちゃんが生まれ、いままで以上にお金がかかるわ…と不安な方へ。お金のヒントを、そして子育ての楽しさを、たっぷりとお届けします!
みなさんは「ふるさと納税」をした経験がありますか? 実は私、遅ればせながら、今年がふるさと納税、初体験! すでに利用している方にとっては、「今さら」な話になるかもしれませんが、今月はふるさと納税の話をしたいと思います。
ふるさと納税は、好きな自治体に納税(寄付)ができる仕組み。寄付した金額のうち、2000円を超える金額が寄付金控除になり、所得税や住民税を減らす効果があります。ただし無条件で、2000円を引いた全額が寄付金控除の対象になるわけではありません。所得額や扶養の状態によって、上限額が異なるからです。
ふるさと納税をしようと思ったら、商品選びをする前に、控除の上限額のシミュレーションをおこなうことをおすすめします。上限額のシミュレーションといっても、難しい話ではありません。PCやスマホで、「ふるさと納税 シミュレーション」と検索すると、試算できるサイトがいくつも見つかります。見つかったサイトのなかから、好きなサイトを選んで収入や扶養家族の人数などを入力すると、2000円の自己負担額で寄付ができる上限額が計算できます。源泉徴収票を見ながら詳細に入力するサイトもありますが、慣れないうちは簡易入力だけで試算できるサイトを利用するのがよいでしょう。
上限額の例をご紹介しましょう。たとえば、ママが専業主婦でパパが会社員、16歳未満のお子さんが1人いるご家庭でシミュレーションしてみます。このケースで年収が400万円だとすると、控除の上限額は3万2000円になります。年収が500万円では4万7000円、600万円になると6万7000円になります。年収ごとに算出された金額が、2000円の自己負担でふるさと納税ができる上限額になります。
冒頭に「ふるさと納税初体験!」と書きましたが、わが家では今年、お米25キロ、国産牛肉と国産豚肉4~5キロ、ズワイガニ3杯、レストランの食事券4000円、アイスクリームの商品券4000円、観光列車のランチペア乗車券(これは1人1万2000円もします!)、アンコウ鍋のペア食事券をもらいました。これらは、主人と私名義のふるさと納税の返礼品です。
ふるさと納税を始めてから、まだ2カ月くらいしか経っていないのに、いろいろな商品が届いてうれしい限り。今までしていなかったことを、大いに後悔しています。この後は年末までに、OLとして働いている娘の名義でも、ふるさと納税する予定にしています。
ふるさと納税は年末までにお金を振り込んだり、クレジットカードでの決済をすれば、平成28年分の寄付金控除の対象になります。駆け込みで納税する人が増えていますので、まだ実践したことのない方は、年末までに納税してみてはいかがでしょうか。
ただし、ふるさと納税には注意点も。たとえば、住宅ローン控除を受けている方は、所得税や住民税での減税を受けていて、納税額が残っていなかったり、残っていても少ないのが一般的。その場合は、試算結果の上限額と、実際の上限額は異なります。税金のかなりの部分が還付されてしまっているため、ふるさと納税で有利にならないケースもあります。