2016年が終わります

2016年はもうすぐドアを閉めます。みなさんにとってどのような一年でしたか?
11月24日は、アメリカではThanksgiving (感謝の日)。アメリカの多くの家族はその日、親か親戚、親友の家などに集まり、親子や家族、みんなの思い出をいろいろと思い出します。家族によって習慣はさまざまですが、メインの食べ物は七面鳥またはハムです。
あるNewsによると、その日アメリカでは46,000,000羽もの七面鳥が食べられたそうです! 親は家族のみんなのために伝統的な料理を作ります。それは七面鳥、ハム、マッシュポテト、詰め物、クランベリーソース、サツマイモです。七面鳥をオーブンで焼くと、重さによっては2時間から5時間ほどかかります。バーベキューをする家族もいます。

 

この七面鳥はなんと、15パウンド(6.8kg)!

 

感謝の日のテレビでは、ニューヨークの90th Macy’s のパレード、午後にはアメリカンフットボールの試合や感謝の日の特別プログラムを放送したりします。家族は笑ったり、食べたり、テレビを見たり、また食べたりします。今年はアメリカの大統領選があったので、Facebookやテレビによると、その日にはできるだけ政治的な話をしないように約束するファミリーもあったようです。家族でもそれぞれ意見が違うので、感謝の日にはできるだけ衝突を避け、和を守ることが大切だと考えるためです。
今年の感謝の日は木曜日だったので、水曜日の夜から長い4日間の連休になりました。テレビを見ていたら、日本のお盆休みの渋滞を思い出しました。ロスにある高速道路はかなり混んでいましたから、私たちはどこにも行かなくてよかった! と思いました。

感謝の日には伝統的な食事を

感謝の日には、家族みんなでいっしょにごはんを食べる習慣があります。でも今長女は中国に住んでいるし、他の親戚はアリゾナ州、ロス、日本にいます。また、もうすぐ91歳になる私の母の体調によって、遠くまで出かけて行くことはできません。ですから今年は母、次女と私の3人だけでした。それでも、母にとって感謝の日はとても大事な日なので、私はいつものように伝統的な食事を作りました。
母の具合は今、良くないです。目はほとんど見えず、パーキンソン病のために手も自由には動かないため、昔のように料理ができません。今年初めて、母は一切料理ができませんでした。残念というだけではなく、ずっと楽しみにしていた料理もできないのです。母がかわいそうだと思いました。母と娘の思い出には、きっと料理にかかわることが多いのではないでしょうか? まだお子さんが赤ちゃんだったらいっしょに料理はできませんが、いつか、その楽しみが待っています。やっぱりお互いにおいしいものを作って、おいしく食べることも楽しいです。

クランベリーレリッシュの作り方

 

クランベリ-レリッシュ。加熱しないのでフレッシュです。

 

感謝の日の料理の中で母が大好きなのは、クランベリーレリッシュ(cranberry relish)。昔から必ず作ります。多くの家族はクランベリーソース(固まったゼリー状)のコンソメを買って、冷やして、出したら七面鳥につけて食べます。もちろんおいしいくて、色もきれいです。
母は結婚した日、お祝いとして鋳物のgrinder(粉砕機)をプレゼントされました。この重いgrinderには、食べ物をつぶす役割があります。とても便利でしっかりした丈夫な道具です。母のgrinderは70歳になります!
今年は私が頑張って作りました。次女のまゆかも作り方を覚えました。伝統的な料理で大事なのは、親から子、子からそのまた子どもへ続いていくことです。永遠に続く家族の思い出になります。すばらしいと思います。母と相談して、みなさんのために昔からの大事な作り方を教えます! とても簡単ですので、味が好きになったら、いつかお子さんといっしょに仲良く作ってください。ただ、フードプロセッサーやブレンダーは使わないでくださいね!
レシピの材料はシンプルで、りんご、オレンジ、クランべリー、砂糖のみ。
本当はりんごやオレンジは2個ずつですが、最近は果物のサイズが小さいため、作る量によって果物を増やしましょう。大きなオレンジ2~3個、できればネーブルオレンジがよいです。りんご(ふじ。アメリカのりんごはとても小さいので4~5個使います。日本のふじは大きいので2~3個がよいでしょう。クランベリーは1袋。こちらではクランベリーは大きな袋に入って売っています。作るまでは冷凍庫に入れておいてださい。
オレンジやりんごは皮ごとスライスし(8等分ぐらい)、りんごの種や芯もとります。
粉砕機に3つの果物を混ぜながら入れ、つぶします。粉砕機からかなりのジュースが出ますから下にボウルを置くといいと思います。
全部が細かくなったら混ぜ、砂糖を1~2カップ入れてください。
最初に1カップ入れてよく混ぜて、密封容器に入れて冷蔵庫へ。朝に作ったら、午後になって食べる前に味を見てください、甘さが足りないなら、もう少し砂糖を入れて。
私はこのrelishが大好きです。感謝の日が終わっても、いつでも食べたいと思ったら食べます。冷蔵庫に入れると長く持ちます。これを食べると感謝しますし、やっぱりこの食べ物は、私たちの家族の歴史のひとつです。

母から私、そして娘へ

今回娘といっしょに七面鳥、サツマイモ、マッシュポテトなどを作りました。娘は七面鳥の詰め物を作ることが好きなので、楽しく作りました。DressingまたはStuffingというものを食べたことのない方のために説明します。Dressは洋服ですが、この食べ物は七面鳥の外側につけるのではなく、からだの中に入れ込むのです。
Dressingも家庭によって違います。ある方は柿、りんご、くるみなどをそのパン粉の中に入れますが、母の伝統的な作り方は簡単です。スパイスのあるパン粉にペーカン(pecan nuts)、ヒシの実とセロリだけです。七面鳥の心臓やレバー、砂嚢をゆで、1カップぐらいをパン粉の中に混ぜます。混ぜたら七面鳥の中に入れます。その詰め物を入れたら、できるだけ早くオーブンに入れて焼くことが大事です。
今回、娘が私の母のために頑張って、昔からの伝統的な作り方を守って作る姿を見たとき、とてもうれしかったです。
作り方はいろいろとありますが、母は昔からの自分の味を食べたい気持ちが強いため、作りながらできるだけ、母に声をかけて確認しました。作ることができなくても、母は自分の声で参加することができてよかったと思います。

 

七面鳥のdressingを作る、娘のまゆか。母のチェックをもらっています。

 

家族としては、昔からの家族の味を大切にすること、感謝することは大事なのではないでしょうか。親子でいっしょに料理を作り、いっしょに楽しく食べ、いっしょに後片付けを笑いながらすることも、ファミリーのかけがえのない時間です。
親子の若い時代はわずかです。毎日忙しいと思いますが、だからこそ自分の家族をしっかり見て、感謝するべきではないでしょうか。
お子さんが大きくなるのと同時に、親は年をとります。クリスマス、そしてお正月も来ますから、昔からの伝統的な習慣をなくさないようにしてください。また、あなたのお子さんとの新しい習慣もぜひ作ってください。子どもにとっては、家族の習慣は楽しくてうれしい思い出です。私と娘たち家族の習慣は、日本にもアメリカにもたくさんの思い出があります。自分の母との間にも、お祝いや食べ物などの習慣があって、子どものころからのそれらの思い出にも感謝します。

2016年はあと少し。 よいクリスマスとお正月でありますように!
ファミリーに乾杯!
Enjoy your family together. Merry Christmas and Happy New Year!